はり・きゅうにたずさわるようになってから、世の中にめまいで苦しんでいる方がこんなにも多いのかとおどろいています。
私の妻もめまい持ちでした。
一時は本当にひどく、まだ鍼灸の専門学生だった私は、病院で処方された薬を飲むことを進めて(薬剤師でもあるので)横になって苦しむ妻にただただなぐさめの言葉をかけるだけ。 まったく情けない限りでした。 はり師・きゅう師免許取得後は、夫の威信(少し大袈裟ですけど)を賭けめまいの治療法を勉強、実際に施術、試行錯誤の結果が、今につながっています。
東洋医学で考える”めまい”の原因
東洋医学では、めまいは、主に肝の不調、異常な水分の貯留、気や血の不足、腎の不調の4つの原因により、脳にいく血や気などの過不足がおきるためと考えられています。
(ここで言う臓器や血などは、東洋医学でのものです。 通常の臓器とは異なります)
それぞれの原因によるめまいには特徴があります。
肝の不調によるめまいの特徴
ストレスや過度の不安などの精神的な要因で悪化し、イライラしやすくなったり、顔が赤みをおびたり、不眠や足腰に力が入りづらくなるといった症状をともなうことが多く、頭がふらつくようなめまいを感じる方が多いようです。
異常な水分の貯留によるめまいの特徴
普段から頭が重だるく感じたりボーっとしたりすることが多く、手足に汗をかきやすい、あまり水分を取りたくない、体が重いなどの症状がともないます。曇りや雨の日、湿度の高い環境で悪化しやすく、ぐるぐると回るめまいの方が多いようです。
気や血の不足によるめまいの特徴
肉体疲労や精神疲労によって悪化し、体を休めると軽くなるのが特徴で、普段から倦怠感や脱力感、息切れ、顔色が悪く爪の色も薄い、動悸がするなどの症状がともないます。
腎の不調によるめまいの特徴
頭がふらつく、足腰の力が入らない、腰や膝のはっきりとしない痛み、物忘れが多くなる、耳が聞こえ難くなる、耳鳴りがするなどの症状をともなうことです。 比較的ご高齢の方に多いように思います。
当院ではめまいの原因を特定して施術をおこないます。
肝の不調であれば、太衝(たいしょう)というツボ。
異常な水分の貯留であれば、豊隆(ほうりゅう)、陰陵泉(いんりょうせん)というツボ。
気や血の不足であれば、気海(きかい)、血海(けっかい)というツボ。
腎の不調であれば、腎兪(じんゆ)、関元(かんげん)というツボ。
これらのツボを中心に、一人ひとりの身体の状態にあわせてさらに数箇所のツボを組み合わせて、はりやきゅうをおこなっていきます。
ツボを使ってのめまいの治療は鍼灸師に。
少し高度な知識と、技術を必要とするので、ツボを使ってめまいの治療をおこなう時は鍼灸師にお願いするのが良いと思います。
はりと聞くとコワく感じるかも知れませんが、当院にいらした方は、「もっと早く来ればよかった。 はりは思っていたものとちがった。」とおっしゃっていただくことが多いです。
もし、あなたがめまいで困っていらっしゃるのでしたら、はりきゅうを試してみてはいかがでしょうか。